- JIL SANDER(ジルサンダー)について
- 買取モデルをご紹介!
a. 08SS シーアイランドコットンシャツの買取価格
① シーアイランドコットンについて
② 強撚糸、ふらし芯、白蝶貝ボタン
b. 13SS ウールモヘアスーツの買取価格
① ウールモヘアの混紡素材について
② その他ディティールをご紹介
皆様こんにちは。c-styleチーフバイヤーの瀬川です。
本日は、JIL SANDER(ジルサンダー)のメンズアイテムをお買取させて頂きましたので、ご報告と宣伝の記事です。ファッション好きならば名前を知らない人はいないブランドだとは思いますが、定番のアイテムを中心に幾つか入荷しましたので、ご紹介させて頂きます。
それでは本日も、宜しくお願いいたします。
1.JIL SANDER(ジルサンダー)について
JIL SANDER(ジルサンダー)は80年代後半に誕生した、所謂ミニマリズムを代表するブランドとされています。今日、高品質な素材と高い縫製技術を用い、ミニマルなデザインを標榜するブランドは多数ありますが、そのどちらも高い次元で両立したブランドの元祖といえます。
実際には純粋なミニマリズムというよりは、独特の色使いや、どこかフェミニンでピュアな雰囲気が特徴です。創業者ジル・サンダーは、ファッション界において最もフェミニズムを体現した人物として、非常に高い影響力を誇りました。
それではお待たせしました。お買取させて頂いたアイテムをご紹介しましょう。
2. 買取モデルをご紹介!
a. 08SS シーアイランドコットンシャツ
まずはこちらのアイテムからご紹介します。
ジルサンダーを代表する、プレーンなシャツです。ラフ・シモンズがクリエイティブディレクターを務めていた08SSシーズンのものです。
一見普通のスモールカラーのシャツですが、こちらのシャツ、シーアイランドコットン(海島綿)という綿素材で出来ていることが最大の特徴です(タグの素材番号で分かります)。
① シーアイランドコットンについて
シーアイランドコットンとは、カリブ諸島においてごく少量しか採れない綿素材で、かつては16世紀に英国女王エリザベス1世による庇護を受けて以来、数々のブランド綿の中でも最高品質を誇る品種の一つとして有名です。写真ではなかなか実感して頂けないかも知れませんが、綿とは思えない独特の光沢感が御座います。エジプト綿なども十分高品質な綿素材ですが、やはりこちらのシーアイランドコットン素材は一線を画していると感じます。
② 強撚糸、ふらし芯、白蝶貝ボタン
こちらの生地は、そんなシーアイランドコットンを更に強撚糸で織ってあり、非常にハリの強い、贅沢な素材使いがされています。マシンメイドではあるものの、所謂コレクションブランドの中でこういった素材使いを出来ることが、ジルサンダーの特徴であり強みといったところでしょうか。副資材もふらし芯に白蝶貝ボタンなど、細部に至るまで抜かりがありません。
こちらは多少年代が前の物ではありますが、人気のラフシモンズ期のアイテムであるということや、状態が非常によく サイズも40でお直しもされていないお品物となっております。
【JIL SANDER の 買取価格 一例】
JIL SANDER 21SS コットンアウターシャツ | ~41,000円 |
JIL SANDER 21SS コットンロングスリーブシャツ |
~50,000円 |
JIL SANDER 21SS サイドスリット ウールアウターシャツ | ~75,000円 |
b. 13SS ウールモヘアスーツ
続いてはこちら。黒に近いダークネイビーのテーラードジャケットです。
こちらも白シャツと同じくらいこのブランドを代表するアイテムであり、ジルサンダーにとってネイビーブルーは、ブランドを代表するカラーでもあります。ついこの前まであったレディースオンリーのセカンドライン、ジルサンダー ネイビー(JIL SANDER NAVY: 2019年春夏シーズンで終了)の名称にも使用される程です。
① ウールモヘアの混紡素材について
ウールモヘアの混紡素材は、私が知っているだけでもジルサンダーのメンズラインがローンチされた当初(1998年)からあったようです。混紡比率は数種類確認していますが、こちらの生地はウール73%、モヘア27%です。いずれもウール100に比べてより黒く光沢感が増しています。
清涼感もあり、春夏向け素材として用いられることが多いのですが、こちらは強撚糸による中厚地、裏地も総裏ですので、バランスの良いオールシーズン向けだと思います。
またこちらのセットアップは、上述のラフ・シモンズが辞任し、創業者ジル・サンダーが復帰した最初の13SSシーズンのものです。ここから彼女が再び辞任するまでの3シーズンのジルサンダーは、特に気合が入っておりました。
② その他ディティールをご紹介
こちらのテーラードジャケットもマシンメイドとハンドメイドの中間的なアイテムではあるものの、身頃が三枚ではなく、なだらかなシルエットを描けるものの、高度なアイロンワークを要求される二枚身頃によって作られています。
現在ではハイブランドや一流とされるファクトリーにおいても、なかなか二枚身頃のジャケットを作ることは稀になりました。よくあるイタリア製の薄地生地ならばシルエットに影響は出にくいのですが、中厚地の場合、三枚身頃だとどうしても奇麗なシルエットを描かせるのが難しいという事情が御座います。素材の特性を崩さず、二枚身頃を採用する点は流石と言えます。
また、肩部分もセットバックショルダーを用いて縫製されるなど、ビスポークの技術が一部取り上げられています。こちらは肩線の縫製切替部分が、背中に向かって流れているのがお判りでしょうか。
セットバックショルダーはその特性上、生地がバイアス方向に伸びるため縫製やいせ込みが難しいのですが、荷重を逃がし、柔らかく肩にジャケットの重さが乗るという利点が御座います。
こちらのテーラードジャケットは6年前の商品となりますが、創業者ジル・サンダー期のものであるということ、また同ブランドの既製服の中でも最上級に品質が高く、更に(仕付け糸こそないものの)状態も非常に良いものでした。
サイズは48で、色も言うことなしです。ジャケットはお直しなし、セットのパンツは裾上げこそされてはいますが、未カットなのも高評価でした。
【JIL SANDER の 買取価格 一例】
JIL SANDER 21SS ウールテーラードコート | ~160,000円 |
JIL SANDER 21SS ウールテーラードジャケット |
~130,000円 |
JIL SANDER 21SS ウールパンツ | ~55,000円 |
如何でしたでしょうか。今回は比較的古い年代のものを取り上げましたが、もちろん現行品や、その他のブランドに関しましても、気になった物をお持ちの方はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
c-styleでは今後とも、様々なブランドやアイテムに関してピックアップさせて頂きます。 今後とも随時更新して参りますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
(c-styleバイヤー:瀬川)